令和4年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、少年法上の「少年」は「20歳に満たない者」という定義を維持し、18歳、19歳の者についても少年法の適用対象としています。 ただ、少年法上、18歳と19歳の少年については、「特定少年」として通常の少年審判とは異なる定めがなされている部分があります。 今回は、特定少年について解説していこうと思います。 特定少年とは 特定少年とは、18歳以上の少年のことをいいます(少年法62条1項)。 特定少年の場合であっても、少年法1条の「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずる」という目的は引き続き適用されます。 そのため、基本的な少年審判手続の枠組みには大きな変更はありません。 特定少年の場合の特則 少年法で … [Read more...]
調停離婚
離婚には、主に協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類があります。 そして、それぞれ離婚の手続には、離婚協議、離婚調停、離婚裁判ということになります。 このうち、相手が協議による離婚(協議離婚)に応じてくれない場合、まず行う手続としては、調停離婚を目指した離婚調停が挙げられます。 そこで、今回は、離婚調停について解説いたします。 離婚調停とは 離婚調停とは、裁判官と2名以上の調停委員(多くの場合は裁判官1名と調停委員2名)からなる調停委員会が離婚の当事者を仲介し、合意の成立を目指すものです。 当事者夫婦同士での話合いによる解決が難しいことから、中立的な第三者である裁判所が間に入って話合いによる解決を目指す手続になりますので、離婚調停は離婚協議の延長でもあります。 調停離婚について話し合う離婚調停は、家庭裁判所のなかでは「夫婦関係等調整調停」として手続が取り … [Read more...]
少年事件
令和4年4月1日、民法上成年となる年齢が18歳となりました。 元々、平成30年の民法改正以前は、成年となる年齢は20歳でした。 近年、公職選挙法の選挙権年齢や憲法改正のための国民投票の投票権年齢が18歳と定められるなど、国政上の重要な事項の判断に18歳や19歳の方々であっても参加する方向での政策が進めてこられました。 このような流れを受けて、私人間の取引や生活に関する民法においても18歳以上の人を大人と取り扱うのが適当ではないかとの議論の下、18歳を成年年齢とする世界的な流れを受けて、民法上の成年年齢も20歳から18歳へと改正されました。 18歳から成年(大人)として扱われることになることで、より早くから親の同意なく自分だけで契約をすることができるようになりました。 (参考:https://www.moj.go.jp/content/001300586 … [Read more...]
離婚手続
はじめに 最近、夫婦別姓や離婚後の共同親権が議論されるなど、日本の生活様式や結婚観は変わってきたのではないでしょうか。今では結婚することや離婚することへの価値観も変わってきたのかもしれません。 結婚相手が不倫をしたり浮気をしたりしているのであれば、向こうも離婚に応じてくれるかもしれません。 ただ、第二の人生を考えたとき、長年積み重なった不満から夫婦関係を解消しようと思ったとき、長年連れ添った夫や妻が同じ意見であるとは限りません。 離婚という言葉はよく耳にする方も多いかと思いますが、日本で離婚する場合、実際にはどのような手続が必要なのでしょうか。 そこで、日本における離婚の手続について、新宿清水法律事務所が解説します。 日本の離婚制度 日本には、簡単に説明すると3種類の離婚方法があります。それは、協議離婚、調停離婚、裁判離婚です。 以下では、これらの離婚 … [Read more...]
中止犯について
未遂と中止について(中止編) 犯罪をしてしまった、けど、後悔して途中でやめた。前回は未遂について紹介しましたが、今回は未遂のうち自主的に犯罪を途中でやめた場合について規定した中止犯について紹介したいと思います。 中止未遂とは 先日紹介したコラム(未遂と中止について(未遂編))では、犯罪が完結するまでの間には、犯罪を実行してからその犯罪の結果が発生するまでの一連の過程があり、未遂になるのは犯罪を実行したもののその犯罪の結果が発生しなかった場合であると紹介しました。中止未遂は、先日のコラムで紹介しました未遂のうち「自己の意思により犯罪を中止した」場合に成立することになります。 つまり、犯罪にあたる行為をしたものの自分でやめたという場合がこの中止未遂にあたるということです。 中止未遂については刑法43条ただし書に規定されていますが、これがなぜ定められているか … [Read more...]