同時廃止について 破産するということを決意した場合、少しでも早く破産手続が終わって再出発したいと思うことと思います。そんな中で、一定の要件を満たす人の場合は破産手続が早く進むためのルートである同時廃止に進むことができます。では、一定の要件とは一体何でしょうか。 今回は、同時廃止について紹介します。 同時廃止の条文 破産法は、同時廃止について以下の条文を定めています。 破産法第216条(破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 1項 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 語弊をおそれずに一言でいえば、お金がない場合は破産手続を開始するのと同時に終了するということになります。以下では、もう少し詳しく見ていきます。 破産財団の概要 … [Read more...]
Archives for 5月 2020
婚約の成立について
婚約をしてはじめて同居するという人もいらっしゃると思います。そして、同居している間に見えてくることもあり、特に今日の緊急事態宣言下の外出自粛という有事の中では、普段見ることのできない側面が見えてくるかもしれません。そうした中で、婚約して同居したけど合わないから破棄したいと思う人もいるかもしれません。では、婚約は法律的にどういう扱いになっているのでしょうか。今回は婚約の成立について見ていくことにします。 婚約とは 婚約について、現在の民法においては、何の規定も存在しません。他方で、判例(大連判昭和大正4年1月26日民録8輯3巻16頁)では、「婚姻の予約は将来に於て適法なる婚姻を為すへきことを目的とする契約にして其契約は亦適法にして有効なりとす」として、婚姻の予約は将来に於いて適法に婚姻することを目的とする契約であり有効であるとしています。 その上で、同判 … [Read more...]
個人事業主、法人が破産する場合の受任通知
当所のコラムで、受任通知について一般消費者向けの場合を紹介したことがあります。そこでは、一般消費者向けの場合には、直接の取立てを防ぐためにも受任通知を送るという対応が有効であるという説明をしました。 当所コラム:破産手続と受任通知(一般消費者向け) では、個人事業主や法人の場合はどうなのでしょうか。今回、個人事業主や法人に焦点を当てながら受任通知の注意点について紹介したいと思います。 個人事業主や法人の場合 一般の個人である場合は、貸金業者などからお金を借りたが利子もかさんでしまい返せなくなった、クレジットカードなどを使いすぎてしまったことなどをきっかけとして破産という選択肢を取るというケースが多いと思われるため、こうした貸金業者等からの取立てを止めるという点で受任通知が大きな意味を持つことが多いです。 しかし、個人事業主や法人の場合を中心にこ … [Read more...]