当番弁護士制度と変わらない味との再会
私は東京弁護士会に所属しているのですが、先日、当番弁護士の待機日に、久しぶりの当番弁護士の出動要請の連絡があり、都内の警察署へ急行しました。
そもそもの当番弁護士制度とは何なのか。
簡単に説明しますと、各弁護士会が待機させている弁護士を逮捕者からの出動要請を受けて派遣させる制度です(待機させている、といっても実際にどこかで待機させているわけではなく出動要請があった場合に速やかに警察署へ急行できる態勢を整えてもらっているに留まります。)。
どうしてこのような制度が整備されたか。それは主に逮捕直後の密室での取調べが自白の強要など冤罪の温床となって来た歴史を踏まえ、弁護士による早期の法的保護を与えるべきと考えられたためです。
さて、早くも話を元に戻しますが、今回の出動先は私の出身中学のすぐ側の警察署でした。
警察署へ急行し、逮捕された方と直ちに面会することが出来ました。結論だけ、今回は大変意義のある当番出動となりました(後日ご紹介できるかもしれません。)。
面会後、安堵感からか急にお腹が空きました。
周囲の風景に目をやると、駅前は再開発により大きく様変わりしてしまったようです。駅前にあったボロボロの味のある焼き鳥屋はなくなり、チェーン店ばかり目に付きます。
以前と変わらない場所を見つけようと、おそるおそる路地裏を覗いてみました。その辺りだけは時が止まったように中学時代と何ら変わりがありません。ノスタルジアに浸りながらその辺りを闊歩していると、目の先にはやはり20年前と何ら変わらぬ佇まいのラーメン屋が。
、、、気付いたら店内に入り、いつも着席していた席に着席し、いつも頼んでいたラーメンを頼んでいました。、、、昔と全く変わらない味、、、感動的に美味しい。。
取り留めないのない話をしてしまいましたが、
当番弁護士制度は、弁護士の側からすると、急な出動要請があり、出動先も事前にはわからない等対応が大変な時があることは事実です。
ですが、逮捕者との早期の面会は弁護士しかできない仕事であり、同制度が冤罪防止のために極めて重要な制度であることに違いなく、私自身、当番出動に大変なやりがいを感じています。
当番出動は、いつ、どこへ行くへ出動しなければわからない半面で、今回のように突然、変わらない味と再会できたりすることもあり、それは当番出動におけるささやかな幸せになったりしています。
弁護士 清水 信寿
新宿清水法律事務所 所長